事例紹介

NPO法人化で活動も関係性も広がりました

NPO法人化で活動も関係性も広がりました

研究職として会社員をしながら、「NPO法人たけのこさいえんす」を立ち上げた宮崎澄子さん。

子ども向けの科学実験教室を中心に、身近な科学のおもしろさや奥深さを伝え続けています。

 

Q. 活動を始めたきっかけを教えてください。
一番の理由はヒマだったからかも(笑)。何かおもしろいことないかなーと、ずっと思っていました。私は、特に子どものころから科学や実験が好き、という訳ではなかったのですが、大学時代に実験の楽しさに目覚めたんです。こんなにおもしろいのなら、子どもの頃に知っておきたかったな、というのが原体験ですね。ですので、事あるごとに、「子どもたちがワクワクするような科学実験教室をやりたいなー」と言っていたところ、「場所貸してあげるよ」とか「おもしろそうなので手伝いたい」という人が次々と現れ、「じゃ、とりあえずやってみよう」となったのがきっかけでした。2007年、30代後半のころだったと思います。

 

Q. すべりだしは順調だったんですか?
そうですね。所属している会社が、社員の社会貢献活動を応援してくれる仕組みを持っていて、立ち上げ当初は資金的にも少しサポートしてもらいました。月1回の頻度で実験教室をスタートさせ、最初は数人だった生徒も、多い時で50人を超えるまでに。さすがに同時に50人は手が回らないので、1日2部制で実施していた時期もありました。

 

Q. CS神戸のことは、どこで知ってくださったのでしょうか?
活動を始めて数年たったころ、そろそろ当初の仲間だけでやっていくことの限界を感じていました。
もっと地域の人の協力を得ながら、展開する方法はないかと考えていた時に、会社の社会貢献室の人に紹介されたのがCS神戸でした。相談にうかがった際、「法人格を取って、組織力をつけながら活動を広げていく方法もありますよ」とすすめられ、2014年にNPO法人となりました。
その後、ボランティアを募集する際にもお世話になり、気がつけば、現在活動を手伝ってくれている半数以上の人がCS神戸からの紹介です。ありがたいです。

 

Q. NPO法人格を取得したことで活動は広がりましたか?
とても広がりました。地元のお祭りでスライムづくりをしたり、電鉄会社から依頼をいただき、大きなイベントで実験教室を実施したり。全く接点のなかった会社からアプローチされたのは、やはり法人格があったからかもしれません。
それまでは仲間内の活動という感じでしたが、一気に関係者や活動範囲が広がった気がします。

 

Q. 活動を継続する上での、やりがいやご苦労があれば教えてください。
やりがいは、何といっても、実験教室で子どもたちの顔がぱーっと明るくなる場面に立ち会えることですね。私たちは、できるだけ日常生活で使うものを、実験材料に選んでいます。例えばカイロであれば、主成分が鉄分と塩なので、空気中の水分に触れた瞬間に化学反応が起き、暖かくなります。そのメカニズムを解説し、実際にやってみることで、科学が身近に感じられるようになるのではと思っています。

苦労はあまりないのですが、新型コロナではさすがに落ち込みました。使っていた公共施設が使えなくなり、対面を基本とする実験教室そのものの実施も困難になりました。しばらく活動を休止し、もう辞めようかな、と思ってCS神戸に立ち寄ると、「もったいないですよ!ここなら活動できますから」とCS神戸の「地域共生拠点・あすパーク」を紹介してもらったんです。紙漉き和紙を手作りしている障がい者支援団体ともつながり、定期的なコラボイベントも始まりました。「こりゃ、まだ辞められない」と思って、今も続けています(笑)。

 

Q. 活動資金はどうなっていますか?
収支はトントンです。儲かってもいませんが、損もしていない、という感じでしょうか。実験教室の参加費が収入の柱ですが、民間の助成金を申請したり、寄付金を募ったりもしています。

 

Q. 今後、何か始めてみようかなという方にメッセージをお願いします。
「迷ったらとりあえずやってみる」ということでしょうか。この活動を通じて、当初予想していたより多くの出会いがあり、世界が広がりました。ぜひ、みなさんもチャレンジしてもらえたらと思います。

 

団体名称

NPO法人たけのこさいえんす

氏名

宮崎澄子

活動内容

子ども向けの科学実験教室の実施

設立

2014年

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