事例紹介

ボランティアを職業に!!

ボランティアを職業に!!

NPO法人palafool 理事長の宮内輝さんにお話を聞きました

宮内さんは神戸市灘区の水道筋商店街で生まれ育った4人兄弟の次男さんだそうですが、現在、甲南大学2年生でありながらNPO法人palafoolを設立されました。

甲南大学のボランティアサークルとして活動を開始して、法人化されました。

1.なぜ起業をしようと思われましたか?

中学までは野球をずっとしていましたが、父に中学生のころから起業することを勧められており、当時から起業塾にも参加させてもらっていました。それで意識が変わったのだと思います。中3から起業するつもりでした。リーダーシップを勉強するため高校では生徒会にも参加し、学校では朝から晩まで勉強と倶楽部を頑張っていました。

負けず嫌いなのだと思いますが、自分は才能がないから、人一倍努力しなければと思っていました。気合入れる時はいつも坊主頭にします(笑)

 

2.今の活動はどのようなきっかけで始めましたか?

大学一年生になった時には、トレーナー、WEBサイト、ユーチューバー、お笑い芸人など一人で起業できることにいろいろと挑戦しましたがどれもレッドオーシャン(※注参照)で活躍できる余地が少ないと感じていました。また、単にお金をかせぐだけのビジネスには違和感がありました。

そのような中で、ボランティア活動に出会いました。もし、ボランティアを仕事・職業にできれば自分も周りの人もみんなハッピーになれると思ったのです。そしてこの分野はブルーオーシャン(※注参照)だと感じたことです。

(※編集者注)

経営戦略用語で競争の激しい既存市場を「レッドオーシャン」とし、競争のない未開拓市場を「ブルーオーシャン」と呼ぶ。

 

3.どのようなあたりがブルーオーシャンなのでしょうか?

よい活動をすれば、必ず共感して協力してくれる人が出てきます。それをSNSで発信すればさらに多くの人に届きます。今は、定額制のクラウドファングなどもあり資金も集まりやすくなっています。

SNSの強さも実感しています。そのため、イベント参加者からは参加費は取っていません。1000円の参加費よりは1つの「いいネ」、「リツイート」の方がずっと価値があるからです。

「ボランティアイベントで喜んでもらう」⇒「共感の輪がSNSで拡散する」⇒「支援の輪が広がる」という好循環です。周りの人がみんなハッピーになれるブルーオーシャン市場なのです。NPO業界は若い人がチャレンジするとよいブルーオーシャン市場だと思います。

 

4.どのような社会課題を解決されたいですか?

現代は、共働きが多く、一人っ子も多いため、孤食孤独になる傾向があると感じています。そのような子どもたちに大家族のあたたかさを教えてあげたいと思い、活動を始めました。活動を続けるうちに、不登校の問題などの深刻な相談も寄せられるようになり、そのような社会課題にも気づいていきました。それらを解決したいと思いますし、仲間がいれば、解決できると信じています。

 

5.大学サークルが母体ですが、どのようになかま集めをしましたか

大学周辺の清掃活動から始めましたが、それだけではあまり楽しくなく広がりがあまりありませんでした。しかし、子どもたちに巨大ロールケーキ作りをした時には自然にみんなが集まってきたのです。子どもたちが楽しいことはスタッフも楽しいということです。楽しさということを通じて、他大学からも集まってきました。やはりSNSを通じて拡散したのが大きいです。

とにかく楽しい企画が大切なので、次は子供たちにオープンカーに乗ってもらう企画を立てています。

 

 

6.現在の活動について

集客や企画、営業など、やっとやり方がわかってきた感じです。新規よりリピーターが大切だと思いました。参加してもらった子どものお母さんに長文のメッセージと写真をわたすと向こうからも返事が来てという感じで、活動がさかんになっていきました。

活動当初は参加者ゼロのこともあり、クレームもあったりしましたが、今ではSNSで発信すると集客は1時間でうまるほどになっています。参加方式をWEBでできるようにしたことも功を奏したと思います。

さらに、現在、子ども食堂の大型版のような空き家を利用した「みんなの家」つくりに取り組んでいます。商店街のお手伝いを子どもにしてもらい、商店街側からは食材などの支援をいただくという仕組みです。

 

7.将来の展望について

「ボランティアを職業に!」の合言葉を広げることです。優しい心で生きて行けるような世の中にしたい。自分たちのしているこの仕組みが確立すれば他の学生団体にも教えることができ、拡散していきます。ボランティア団体をまとめて盛り上げていきたいと思っています。

大学を卒業した後は、就職せずに、この活動(NPO法人)で生計を立てていくつもりです。その意味でも、経営学でいう次の3つの段階のうち「KIM」の状況を作り出せるようにがんばっていきたいと考えています。そのために、読書や新聞など勉強する時間を大切にしています。

TIM タイムイズマネー(時間をお金に変える)

RIM リザルトイズマネー(成果がお金に変わる)

KIM ノウリッジイズマネー(知識をお金に変える)

 

すでに、講演会・取材の話も来るようになってきています。また、逆に学生団体にオンライン取材をしており、つながってくことを大切にしています。

はじめは失敗の連続でしたが、いまは軌道に乗ってきており、回りも燃えています。笑われる存在から輝く存在になりたいと思っています

8.これから活動を始められる方々へのメッセージをお願いします。

ソーシャルな活動は自信をもってできるのが良い点なので、是非チャレンジしてほしいです。自分も本気で楽しみながら、思いついたことをすぐに実行に移しスピード感を持ってやるとよいと思います。

 

(編集後記)

宮内さんは活動を始めた際に、近隣のNPOなどを訪ね、意見をきいて回られたそうです。その時に必ずと言ってよいほどCS神戸に相談に行くことを勧められ、NPO法人設立についてCS神戸に相談に来られました。この取材もそれがご縁でした。

若干、二十歳とは思えないしっかりとした考えを持っておられる起業家精神あふれる宮内さんの今後の活躍にますます期待をしたいと思います。

 

団体名称

NPO法人palafool

氏名

宮内輝

活動内容

パラフル(palafool)とは

100人メンバーの学生ボランティア団体

設立

2020年

その他

https://palafool.com/


https://twitter.com/konan_palafool

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